NHKの2025年度第2四半期業務報告は、テレビ放送の視聴減少と、インターネットサービスの急成長という「二重構造」を鮮明に示しました。
総合テレビやEテレを含む国内放送への接触者率が減少する一方、ネットサービスの訪問UB数(週平均3355.2万)は大幅に増加し、特に連続テレビ小説「あんぱん」などキラーコンテンツを配信するNHKプラスはID登録が668.9万に達するなど、利用基盤が着実に拡大しています。
このデジタルシフトを決定づけるのが、10月からのインターネット必須業務化に伴う新サービス「NHK ONE」の開始です。
分散していた情報を統合し、地域情報やアクセシビリティ(生ニュースの字幕タイミング一致機能など)を大幅に向上させ、シームレスな体験を提供することで、コンテンツの強さを放送波以外で発揮する狙いです。
一方で、受信契約の支払率は77.1%へ低下傾向にありますが、NHKはコスト効率化のため民放と選挙出口調査を共同実施するなど、厳しい経営環境下で公共的使命を果たす道を探っています。
【ディンコの一言】
NHKのデジタル成長は放送の衰退を補って余りある勢いです。しかし、BSP4Kの評価低下は、公共放送がデジタル時代にエンタメと信頼性のバランスをどう取るかという、本質的なジレンマを突きつけました。
ネット必須業務化を機に、真の価値を「NHK ONE」で再定義できるかが問われます。
